2015年08月28日

『金魚姫』 荻原浩

金魚姫 -
金魚姫 -
20〜27日。

読むのに時間がずいぶんかかっちゃったのは、
長かったからっていうのもあるけど、
研修のレポート作成に追われていたから。
物語はすっごくよかった〜。

勤め先の仏壇仏具販売会社はブラック企業。
同棲していた彼女・亜結は出て行った。
うつうつと暮らす潤は、日曜日、
明日からの地獄の日々を思い、憂鬱なまま、
近所の夏祭りに立ち寄った。

目に留まった金魚の琉金を持ち帰り、
入手した金魚のことを書いた古本『金魚傳』で
飼育法を学んでいると、
ふいに濡れ髪から水を滴らせた怪しい美女が目の前に現れる。

漆黒の髪、黒目がちの目、えびせんをほしがり、
テレビで覚えた日本語を喋る変な美女。

素性を忘れた女にリュウという名をつけると、
潤はなぜだか死んだ人の姿が見えるようになり、
そのことから、大口の契約が舞い込み始める。

金魚だったり人間の姿になったりと、
リュウをやっかいに感じていた潤だったが…。

ちょっと不思議なラブファンタジー?なのかな?
だって、金魚なんだもん。リュウが。
そのリュウが、一生懸命普通の女の子のように
振舞おうとするのが何とも微笑ましいんだけど、
でも切ないんだよね〜。
リュウが抱えている過去を思うと。

そして厄介に感じていた潤が、
どんどんリュウのことを大事にしていく姿が、
面白いというか、一途というか。

でも、すべては繋がっていたんだよね。
リュウが何故、琉金になったのか。
そして、どうして潤のもとにやってきたのか。

最後は何とも切ない結末だったんだけど、
リュウはきっとそれで良かったんだよね。
だって、あのまま金魚でいたって、
ずっと復讐を繰り返していただけなんだから。
だから、潤に出会って、大事にされて、
想いも通じて幸せだったのでは?

これはまた、時間があったらじっくり読みたい。
そう思える物語だった。
posted by くりきんとん99 at 20:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 荻原浩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月22日

『MAZE(メイズ)』 恩田陸

MAZE 新装版 (双葉文庫) -
MAZE 新装版 (双葉文庫) -
〜12日。

アジアの西の果て、荒野に立つ直方体の白い建物。
近くの集落では、『存在しない場所』『有り得ぬ場所』と呼ばれていた。
建物の周りには、建物への侵入を防ぐように灰色の植物が生え、
中は、迷路のようになっていた。
そしてその建物の一度中に入ると、戻れない人間が数多くいるらしい。

時枝満は、神原恵弥に誘われ、その建物の建つ草原にやってきた。
そこで満は、その建物に関するたくさんの資料を読まされ、
建物に入るとなぜ人が消えてしまうのかを
推理するように言われる。
建物は何のために存在するのか、いつからあるのか、
何故、迷路のようになっているのか、
そして人はなぜ、その建物で消えてしまうのか?

満はたくさんの資料を読むうちに、
ある一つの法則に気が付く。

神原恵弥シリーズ第一弾!
うっかり第三弾の『ブラック・ベルベット』から読んじゃってたんだよね〜。
第3弾もさることながら、第一弾も面白かった!

妙に怖いんだよ。この建物。
だって人が消えるっていうんだもん。
周りに生えている植物もなんだか分かんないし。
そして恵が何故ここにやってきたのかも分かんないし。
恵弥のほかに二人いたのに、二人とも消えちゃうし〜〜っ。

でも妙に面白い。
満が繰り出す推理が、これが正解じゃないの!?って言うものだったし。
実際のオチは、拍子抜けしちゃうようなものだったけど、
だからこそ、なおのこと面白い。

そしてやっぱり恵弥のキャラが最高だよね〜。

うっかり第三弾から読んじゃったけど、
これは、順番関係なしで読めたかも。
第2弾の『クレオパトラの夢』も楽しみ〜♪
posted by くりきんとん99 at 14:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 恩田陸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月15日

『滔々と紅』 志坂圭

滔々と紅 -
滔々と紅 -
10〜15日。

全国の書店員が「世に出したい」と選んだ
第1回本のサナギ賞大賞受賞作。
そんな賞があったのね〜。
読んでみるとその賞をとるのは納得な出来。

9歳の駒乃は、貧しい農村に生まれたが、
飢饉の年、吉原に売られる。
吉原の大見世扇屋の禿となった駒乃は、
「しのほ」と名付けられ、禿としてしつけられる。

禿になったころは、やせぎすだった駒乃は、
次第に美しく成長し、引き込みとなり、名も明春と名付けられ、
たくさんの習い事をさせられる。
そして、水揚げの時、客の頭を頭突き。
それが悪評となり、客が付かなくなるが、
ある時来た評判の悪い客を将棋で負かしたことから、
明春は人気になり、花魁へと昇格、艶粧花魁と名付けられる。

悲惨な話になりそうな吉原でのことが
駒乃の出世とともに淡々と描かれている。
また、女郎たちが使う吉原の言葉がまた
浮世離れた感じでなおさら、悲惨さを感じさせないのかも?

駒乃の性格も気が強いのか潔いのか。
またその性格もいいから、どんどん出世できたんだろうけど。

このままきっといい人に身請けされて〜?と思ったけど
物語は意外な方向へ。
まさかの足抜けなんだよね〜。
それもお医者さんと。
そしてそのまま長崎へ。

物語の中でも言っているけど、
足抜けに成功した女郎っていっぱいいるのでは?
そんな変な期待をして読んじゃった。
実際はどうだったんだか。

あまり長生きのできなかった駒乃だけど、
最後は幸せいっぱいだったんだろうなぁ。

この作家さん、次の作品も楽しみ。
ってか、次、出るのかな?
posted by くりきんとん99 at 14:36| Comment(0) | TrackBack(0) | その他の小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする