2015年11月28日

『空に牡丹』 大島真寿美

空に牡丹 -
空に牡丹 -
23〜28日。

あっさり読み終えれるかな?と思っていたけど、
意外と読み進めるのに苦戦。
静かな物語だったからかな〜?

時は明治。
江戸からそれほど遠くない丹賀宇多村の
大地主の次男坊として生まれた静助は、
村人から頼られる庄左衛門、母親の粂、
腹違いの兄・欣市と暮らしていた。

ある日、新し物好きの粂と出かけた両国・隅田川で、
打ち上げ花火を見物した静助は、
夜空に咲いては散る花火にひと目で魅了される。

江戸の有名な花火屋たちは、
より鮮やかな花火を上げるため競って研究をしているという。

静助は花火職人だった杢を口説き落とし、
潤沢な資金を元手に花火作りに夢中になる。

静助の子供の頃から描かれているこの物語。
明治維新頃からなんだけど、
そのころの混乱ぶりは、なんとなく匂わせながら、
でも田舎である丹賀宇多村の中で育っていく静助や
その幼馴染で兄・欣市の嫁になる琴音、
母の粂らの生活が静かに描かれている。

もっと花火のことなのかなぁ〜?と思っていたけど、
案外にそうでもない。

静かに静かに花火に夢中の清助のことが
ちょっとずつ描かれてるって感じ。

確かにお金がかかるだろう花火。
家のお金をどんどん花火につぎ込んでしまう清助。
でもそのことが悪いことだとは感じられない。
そして周りもそうは考えていはいない。
それは、清助さんだからなんだよね。

兄の欣市さんのためにあげる花火を描いている場面は、
なんとも綺麗でそして気持ちが暖かくなる。
そこが一番よかったかな。

確かに身代を潰しちゃった清助さんだけど、
花火道楽っていうのとは、ちょっと違う感じ。
確かに花火道楽だったんだろうけど、
それなりに思いがあったから、
だから周りに受け入れられてたんだよね。

そんな清助さんの一生が描かれている作品だったけど、
気持ちが暖かくなる、そして花火が見たくなる、
そんな作品だった。
posted by くりきんとん99 at 20:38| Comment(0) | TrackBack(0) | その他の小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月23日

『ルパンの娘』 横関大

ルパンの娘 -
ルパンの娘 -
20〜22日。

初読みの横関さん。
初読みだしボリュームあるし、
読みなれないから時間かかるかなぁ?と思ったけど、
予想以上に面白く、だんだんと読むスピードが上がった感じ。

三雲華は恋人の桜庭和馬の家に挨拶に行くこととなった。
緊張する華にたいして、和馬は優しく話しかける。
ついに桜庭家に到着した華は、
玄関に飾られていた桜庭家の家族写真を見て唖然とした。
全員が警察の制服らしき服装に身を包み、
それぞれ敬礼のポーズをしていたからだ。

最悪だった。
華が育った三雲家は、代々泥棒を生業としており、
一家全員が盗人だったからだ。

その後のある日、荒川の河川敷で男の焼死体が見つかり、
和馬は現場に急行した。
その被害者、立嶋雅夫は華の祖父で伝説のスリ師、三雲巌(いわお)だった。

軽快なタッチで描かれ、この感じで進むのかなぁ?と思ったら、
予想以上に深刻な事態へ。
華の祖父、巌が殺され、
でも巌が身分を偽って死んだことから、
遺族として名乗り出ることもできない華たち。

巌を殺したのは誰なのか?
なぜ殺されたのか?
おまけに和馬の祖父、和一も何かを隠しているし。

読めば読むほど、謎が深まり、
でも面白くてスピードアップしてくんだよね。

おまけに登場人物たちのキャラが面白い。
和馬の妹の香は、男らしいし、
華の両親も常識がなく面白い。

和馬と華には何としても一緒になってほしいっ!って思ったけど、
やっぱり、泥棒一家と警察一家はムリなのか?
桜庭家に完全拒否られちゃうんだよね〜。

和馬と華が分かれて1年後、
まさか和馬が結婚をしようとしているとは!
でも、そこでまた巌の事件が大きく動く!

最後まで、楽しませてくれたこの作品。
予想以上に面白かったから、
横関さんのほかの作品、絶対読む!
posted by くりきんとん99 at 12:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 横関大 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月21日

『ギブ・ミー・ア・チャンス』 荻原浩

ギブ・ミー・ア・チャンス -
ギブ・ミー・ア・チャンス -
16〜19日。

大好きな荻原さんの元気をくれる短編集。

登場人物は、元相撲取りの探偵や
元ロックシンガーの演歌歌手、
漫画家デビューを目指す売れっ子漫画家のアシスタント、
リゾート客向けのローカル列車で勤める元CA、
不人気のゆるキャラの中の人などなど。

どの登場人物たちも夢を追い、
その夢をあきらめずに頑張っている人たち。

がんばってもどうにもならないんだよ〜という話ではなく、
諦めずにやっていれば、その夢はいつか
叶うんだよ〜というような物語ばかり。

その頑張りが、ちょっと痛々しかったりもするんだけど、
その痛々しさも愛しかったりもする。

荻原浩さんの作品は、わりとこういう元気をくれるものが多い。

ちょっと落ち込んだ時に読むのはピッタリな短編集。
posted by くりきんとん99 at 19:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 荻原浩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする