2016年05月29日

『東京すみっこごはん』 成田名璃子

東京すみっこごはん (光文社文庫) -
東京すみっこごはん (光文社文庫) -
25〜26日。

本屋で平積みになっていて、
ずっと気になっていた作品。
いざ、買おうと思ったらなかなか見つからない。
やっと見つけて購入。

商店街の脇道に佇む古ぼけた一軒屋「すみっこごはん」は、
年齢も職業も異なる人々が集い、
手作りの料理を共に食べる“共同台所”だった。

そこへ訪れるのは、
イジメに悩む女子高生だったり、
婚活に励むOL、人生を見失ったタイからの留学生、
妻への秘密を抱えたアラ還などなど。

そして最後には、この「すみっこごはん」の秘密が…!

連作短編の形のこの作品。
それぞれいろいろな問題を抱え、
そして「すみっこごはん」で料理をし、
みんなでその料理を囲む。
不思議な空間の「すみっこごはん」。

ここにはルールがあるんだけど、
ちょっと不思議なもの。
料理を作る人は、くじ引きで。
料理はレシピノート通りにとか。

あんまり料理は作りたくないけど、
近くにこんな場所があったら、行ってみたい。

登場人物たちは、普通の人たち。
だから、身近に感じられ、
それぞれが抱えている問題にも感情移入ができる。

この共同台所「すみっこごはん」。
ずっとなくならないでほしい。
posted by くりきんとん99 at 18:54| Comment(0) | TrackBack(0) | その他の小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月24日

『この闇と光』 服部まゆみ

この闇と光 (角川文庫) -
この闇と光 (角川文庫) -
23〜24日。

読メで興味を持って読んでみた作品。
はじめましての作家さんだけど、面白かった〜。
残念なのは、この作家さんがもう亡くなっているということ。
作品が少ないんだよね。
でも他のも読んでみたい。

森の奥に囚われた盲目の王女・レイアは、
父王の愛と美しいドレスや花に囲まれて育てられた。
たまに姿を現すダフネという女性に恐れながらも、
父から、字を教えられ物語を読み、
自分の世界を広げようとしていた。

父王からの優しく甘やかな愛と光に満ちた鳥籠の世界は、
レイアが成長したある日終わりを迎える。

ダフネに突然、屋敷から連れ出され、
父が迎えに来るといわれ待っていた場所に現れたのは、
レイアの本当の両親と警察官たちだった。

レイアは、3歳のころ病院から連れ去られ、
それから9年もたっていた。

そしてどんどんとわかる真実。
混乱の中で明らかになる真実は、恐るべきものだった。
・・・レイアにとっては、かな。

終盤、読んでいて気が付いたけど、
前半は「レイア一」という名前の章なんだよね。
で、後半からずいぶんと章が短めだなぁと思っていたら、
最後のほうで「レイア二」。
まさかこんな仕掛けがあったとは!

確かにところどころ、・・・?ってところはあった。
ちょっとおかしいなってところが。
それが、こんな形で収拾されていくとは!
見事だったわぁ。

大きい仕掛けが2つもあるんだもん。
一つ目は真ん中あたりで。
二つ目は終盤で。
まさかこんな、オチがあるとは!

これは、やっぱりほかの作品も読まねば!
posted by くりきんとん99 at 20:24| Comment(0) | TrackBack(0) | その他の小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月22日

『午後二時の証言者たち』 天野節子

午後二時の証言者たち -
午後二時の証言者たち -
17〜22日。

読目で知った初読みの作家さん。
なんでもデビュー作は自費出版スタートだったんだとか。
そして映像化。
知らなかったわぁ〜。

三月五日、午後二時ごろ、
みどり市旭ヶ丘一丁目の横断歩道で、
近くに住む八歳の女児が走ってきた乗用車にはねられ、
病院へ搬送されたがまもなく死亡した。

そしてその事故から9か月後、
ある病院の外科医が何者かに殺された。
それから数日後、あるホテルで男性の遺体が発見される。

それらを調べるうちに殺された外科医は、
少女が事故にあったとき、救急搬送を断った病院に勤務。
そしてホテルで死んでいた男性は、
少女が死ぬことになった事故を起こした加害者だったことが分かる。

物語は、章ごとに語り手が変わる。
刑事だったり、事故の目撃者だったり、
外科医と不倫関係にあった元看護士だったり。

文章は描写が細やかですごく引き寄せられる。
でも、時系列がまちまちで若干混乱。
最後はようやく、混乱も収まり納得って感じ。

最後の章は、死んだ少女の母親。
それがやっぱり一番、迫力があった。
悲しみがすごく胸に迫る。

初読みの作家さんだったけど、
これはぜひ、デビュー作も読まねば!
posted by くりきんとん99 at 19:23| Comment(0) | TrackBack(0) | その他の小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする