2016年09月24日

『奥様はクレージーフルーツ』 柚木麻子

奥様はクレイジーフルーツ -
奥様はクレイジーフルーツ -
19〜22日。

今回は、セックスレスが悩みの初美の物語。
柚木さんにしてはちょっと珍しいのかな?
読メでは、あんまり評判が良くない。

夫と安寧な結婚生活を送りながらも、
セックスレスに悩む初美。
同級生と浮気未満のキスをして、
義弟に良からぬ妄想をし、
果ては乳房を触診する女医にまでムラムラする始末。
この幸せを守るためには、性欲のはけ口が別に必要…なのか!?
柚木がたわわに実る、果汁滴る12房の連なる物語。

連作短編になっていて読みやすい。
柚木さんらしくとても軽く書かれているけど、
重めのテーマ。

初美が素直に生き生きと描かれているのは、
さすが、柚木さって感じ。
そして読後感の良さも。
ただちょっと物足りなさはあるかなぁ?

できれば、円満に〜と思いながらも
それじゃあ話が上手すぎるし、
この辺が落としどころなんだろう。

いっそ、どろどろにして
もやっとしたまま終わらせるのもありだったのかも?
お互い浮気した挙句の離婚とか?

それにしても正直者の初美。
セックスレスを姑に相談しちゃうとは。
posted by くりきんとん99 at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 柚木麻子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月12日

『よっつ屋根の下』 大崎梢

よっつ屋根の下 -
よっつ屋根の下 -
6日〜12日。

大崎さんの新作。

勤め先の大病院の不祥事隠蔽を批判し、
犬吠の地方病院に飛ばされた父。
製薬会社に関係の深い実家を気にして、
父についていこうとしない母。
都会暮らしが好きなのに、
父をひとりにできなくて、ついていったぼく。
お母さんを責めないで!と言いながら、密かに自分を責めていた妹。

家族がバラバラになり、
それぞれの思いから描かれた連作。

描かれているのは、
父について行った息子の新しい土地での暮らしだったり、
妻と別居した夫が妻との出会いの回想だったり、
夫と息子と離れて暮らす妻の思いだったり、
母親について残った娘のその後だったり。

時は数年ずつ進んでいく。
最後の章は、再び息子。

一見、バラバラになってしまったようだったけど、
バラバラになりながらも一つになっている感じで、
心温まる家族の再生っていうのかな?これも。
それぞれがそれぞれの場所で成長している感じで、
読んでいて気持ちが良かった。
最初はつらかったけどね。ちょっぴりだけど。
posted by くりきんとん99 at 14:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 大崎梢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月07日

『市立ノアの方舟』 佐藤青南

市立ノアの方舟 -
市立ノアの方舟 -
31日〜5日。

読メで知った作品。
この人の本は読んだことあったかなぁ?
初読みかな?

野亜市役所職員の磯貝健吾は、
突然の人事異動で廃園が噂される市立動物園の園長を命じられた。
着任早々、飼育員たちから腰掛けの素人園長≠フ烙印を押されて
挫けそうになった彼を立ち直らせてくれたのは、一人娘が描いたゾウの絵だった。
そこに描かれていたのは、健吾が子供の頃に見たゾウそのものだったのだ。

それを見た磯貝は、存続に向けて園を立て直す決意を固め、
まず動物園のことを知る努力を始める。
やがて見えてきたのは動物たちが抱える様々な問題と、
くせ者揃いの飼育員たちの熱く、一途な想いだった……。

やはり連想するのは旭山動物園。
だけど違うんだなぁ。

それぞれの章ごとに動物にスポット。
落ち着かないアジアゾウだったり、
常同行動をするホッキョクグマ、
自然界では出会うことのない違う種類のフラミンゴが、
卵を何度も産んじゃう話だったり。
最後の章は、中学生の職場体験だけど。

園長となった磯貝は、突飛なアイディアを出すわけではなく、
ちょっとした思い付きでどんどん飼育員たちの意識が変わり、
そして動物園も動物たちも変わっていく。

やはり、そんな風に変わっていく人たちや動物たちを
読んでいると気持ちがいい。
ラストには素敵な奇跡が起こりそうな予感で終わる。

もうちょっと先を読みたいけど、
この辺で終わらせるのがいいんだろう。
いろいろと想像できるもんね。

どうかこの動物園が廃園にならないことを祈る!
ちょっと続きも読みたいわ。
posted by くりきんとん99 at 20:10| Comment(0) | TrackBack(0) | その他の小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする