2016年05月15日

『ニセモノの妻』 三崎亜記

ニセモノの妻 -
ニセモノの妻 -
12〜13日。

三崎ワールドを堪能できる4編の中編。
4組の夫婦の物語。

「終の筈の棲家」
終の棲家にするつもりで、結婚一か月で購入したマンション。
すぐに完売と聞いたが、そのマンションには他の住民が見当たらない。
そしてそのマンションは、地域住民から反対運動を起こされていた。

「ニセモノの妻」
「もしかして、私、ニセモノなんじゃない?」
ある日、六年間連れ添った妻が言いだし、
本物探しの奇妙な日々が始まった。

「坂」
空前の坂ブームの中、
人気のある坂に面した家に住んでいた夫婦。
ある時、その坂が閉鎖される。
その閉鎖している集団の中に妻の姿が。

「断層」
妻と幸せに暮らしていいたある日、
妻が断層に巻き込まれる。
そして妻と夫は、毎日少しずつ一緒に生活をする。
だが、妻は断層に巻き込まれていることに気が付いていない。

ちょっと不思議で、ちょっと怖い、
そしてちょっとホロリとくる中編。
特に「断層」が可哀そうだったなぁ。
「ニセモノの妻」も切なかったけど。

登場人物たちはいたって普通の人たちばかりなのに、
三崎さんの描く世界がちょっと不思議。
パラレルなワールド。
こういう不思議な世界って苦手だけど、
三崎さんのは読んじゃうなぁ。
posted by くりきんとん99 at 19:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 三崎亜記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月04日

『廃墟建築士』 三崎亜記

廃墟建築士 -
廃墟建築士 -
27〜3日。

日野原さんシリーズを追って読んだ短編集。
三崎さんの短編集っていい!
三崎ワールドを堪能できるよね。

「七階闘争」
七階で事件や事故が多発したことから、
市が七階を撤去することを決定。
七階に住んでいた森崎は、市の言うとおり
10回に転居しようと考えるが…。

「廃墟建築士」
廃墟建築士の関川は、若いころみた
廃墟に心を奪われ、廃墟建築士になった。
時が経ち、関川の会社から独立していった鶴崎が
廃墟建築士として成功していたが…。

「図書館」
図書館を夜間開館して、利用者に
図書館の野性を見せるため日野原は、この街に訪れていた。
日野原の調教が上手くいき、
夜間開館は成功したが、図書館員の高畑は…。

「蔵守」
蔵はずっと蔵として蔵の中身を護っていた。
そして蔵守も同じように蔵を守り続けていた。
そんな蔵に変化が生じ、
同時に蔵守の元へ蔵守見習いが訪れる。

「七階闘争」が面白かった。
でもちょっと切ない終わり方だったなぁ。
「蔵守」もよかったけど、
もう少し読んでいたかったな。

やっぱり感心するのがその設定。
三崎さんの想像力がすごい。
そしてこの世界って、どの作品とも一緒なのかな?
ようやくそのことに気が付いてきた。

日野原さんシリーズ、これで全部読めたけど、
もう一回「手のひらの幻獣」を読みたくなった。
やっぱり順番に読みたいもんね。
理解度も違うだろうし。
posted by くりきんとん99 at 11:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 三崎亜記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月25日

『バスジャック』 三崎亜記

バスジャック (集英社文庫) -
バスジャック (集英社文庫) -
20〜24日。

先に読んだ「手のひらの幻獣」のシリーズ最初の作品、
「動物園」が入っている短編集。
「動物園」目的で借りたけど、
三崎ワールドを堪能でき、すごく面白かった。

「二階扉をつけてください」
妻が出産のため、実家に帰っているときに
近所のおばさんから、「二階扉」をつけるように言われる。

「しあわせな光」
僕は毎晩のように散歩をし双眼鏡で
自宅の明かりを見る。
そこに見えるのは、幸せなころの記憶。

「二人の記憶」
僕と彼女、少しずつずれていく二人の記憶。
切なさを感じながらも・・・。

「バスジャック」
バスジャックがブームの世の中。
乗り合わせたバスが素人の集団にジャックされ…。

「雨降る夜に」
雨が降る夜に僕の部屋を訪れる女性。
その女性は、僕の本棚から本を借りていく。

「動物園」
日野原柚月は、ヒノヤマホウオウを
見せる仕事をするため、とある動物園を訪れる。

「送りの夏」
家出をした母を追いかけてきた麻美は、
その海辺の家で、人形のような人と過ごすいろいろな人たちと出会う。

一番最初の「二階扉」がいったいなんなのか?
そこで一気に三崎ワールドに引き込まれた。
でもこれ、よくわかんなかったけど怖かった。
この短編集、このまま怖いのばっかり?と思ったけど、
そのほかの物語はわりと心にしみるものばかり。
特に「しあわせの光」は、短かったけどすごく良かった。

そして予想以上に面白かったのは、「バスジャック」。
妙に爽快なんだもん。

「動物園」は、先に「手のひらの幻獣」を読んでいたせいか、
表出という能力には違和感なく読め楽しめた。
「送りの夏」もよかったわ。
ただお母さんと人形(?)の直樹さんとの関係が気になった。
その辺は想像に任せる〜なのかな?
posted by くりきんとん99 at 20:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 三崎亜記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする