2013年07月25日

『世界地図の下書き』 朝井リョウ

世界地図の下書き [単行本] / 朝井 リョウ (著); 集英社 (刊)
22日〜24日。

今までは、高校生から大学生くらいを書いていた朝井さん。
今回は、小学生が主人公。
ちょっと雰囲気も違うような・・・?
でもこれもすごく良かった。
表紙絵もジブリの近藤勝也氏ということで、
優しい気持ちになれるもの。

小学三年生の太輔は、交通事故で両親を亡くし、
その後、叔母夫婦のところへ行くが上手くいかず、
「青葉おひさまの家」という施設で暮らすことになる。
最初は、馴染めなかった太輔だが、同じ班の仲間たちに
だんだんと打ち解けていく。

三年後、施設を卒業する佐緒里のため、
太輔は、同じ班の淳也、麻利兄妹、
美保子の4人でランタンに願い事を託して
空に飛ばす「蛍祭り」を復活させようとする。

それぞれが辛い現実を抱えた小学生たち。
でもそれぞれが生きていくために希望を見出そうとする。
その姿がいじらしく、でも子どもらしく、
読んでいても胸が熱く、そして微笑ましくもなる。

淳也と麻利、それぞれが学校でいじめられていたり、
美保子は、親と上手くいっていなかったり、
そして太輔も・・・。

きっとそれぞれが今だけでなく、
将来にも不安を感じているに違いない。

ランタンを復活させるために考える作戦。
その考えることがすごく子供らしい。
そして、材料の集め方もハラハラしちゃった。

「逃げていいんだよ」
そんな作者の想いが伝わってくる。

読んでいる最中、思わず何度も表紙を見直す。
きっと上手くいくよね?と。
posted by くりきんとん99 at 20:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 朝井リョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月09日

『何者』 浅井リョウ

何者 [単行本] / 朝井 リョウ (著); 新潮社 (刊)
6日〜8日。

直木賞受賞作。

早稲田を卒業し、新入社員とした頑張っている作者が
書いたこの作品は、男性作家として最年少の直木賞受賞なんだとか。
そして、書かれているのは、若者たち5人の就活。
たぶん、自分の実体験をもとにして書いたんだろうなぁ。

大学生の拓人は、舞台をやっていたが、
一緒にやっていたギンジと仲違いし舞台を辞め、
同居人の光太郎もバンドを辞めたことから
就活を一緒に本格的に始める。

拓人、光太郎、光太郎の元カノの瑞月、
その友達の理香と理香の彼、隆良と
就活の情報を交換することにする。

今の就活ってこんなに大変なんだ。
ニュースとかで大変だっていうのは見てたけど、
この小説を読んでいるとその大変さが良く伝わってくる。

自信を持って出したエントリーシートで志望した会社をおち、
なかなか面接までたどり着けなかったり、
ようやく面接までたどり着いてもやはり落ちてしまう。
自分を否定されてしまうような感覚。
でも彼らはなんとかそんな中でも立っていようともがく。
その苦しさ、ジレンマがすごく伝わる。

そしてこの小説の中でてくるツイッター。
こんなに依存してるの!?と思ってしまう。
という私はツイッターしてないんだけどね。

今の若い人たちの就活を通しての日常。
そういったものが描かれていた。
終盤、なんとなくタイトルの意味も分かったけど、
すごく切なくなる。
でも、ラストはちょっと光が見えるかな・・・?
posted by くりきんとん99 at 19:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 朝井リョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月22日

『もういちど生まれる』 朝井リョウ

もういちど生まれる [単行本] / 朝井 リョウ (著); 幻冬舎 (刊)
17日〜21日。

さすがに図書館で借りた本を旅行に持っていく勇気は無かったから、
旅行を挟んでの読了。

朝井リョウの連作短編集。

直木賞候補になったこの作品は、
直木賞を受賞した辻村深月の『鍵のない夢を見る』とは対照的な作品。
あれは救いのない感じがしたけど、これは、ちょっと前向きな感じ。

彼氏がいるのに、親友に思いを寄せられている。汐梨
平凡な日常と、特徴のない自分に飽き飽きしている。翔多
絵を通して、壊れた家族に向き合おうとする美大生。新
美人で器用な双子の姉にコンプレックスを抱く浪人生。梢
才能の限界を感じつつも、バイトをしながらダンス専門学校に通う。遥
                 (帯より)

どの物語も20歳前後のジレンマや悩み、
その年齢ならではの不安定さが描かれている。

やっぱり、作者が若いから?
懐かしいような恥ずかしいような。
こんなこともあったっけか?みたいな。

そしてどの物語もリンクしていて、
それを見つけるたびに、また違った角度でその物語を楽しむことが出来る。

直木賞を受賞した『鍵のない〜』も良かったけど、
前向きになれる分、こっちの方が好きかな?

posted by くりきんとん99 at 09:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 朝井リョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする