2015年10月04日

『琥珀のまたたき』 小川洋子

琥珀のまたたき -
琥珀のまたたき -
28〜3日。

これまた小川ワールドが堪能できる作品。

妹を亡くした三兄弟は、
ママと一緒にパパが残した古い別荘に移り住む。
そこで彼らはオパール・琥珀・瑪瑙という新しい名前を手に入れた。

閉ざされた家のなか、
三人だけで独自に編み出した遊びに興じるうち、
琥珀の左目にある異変が生じる。

この古い別荘の敷地から出られない兄弟たち。
でも、それを苦痛と思わず、
楽しみながらも生活をしていく。
それがなんとも小川さんらしい文章で、
ちょっと不思議で、でもちょっと物悲しい。

だって、外の世界を知らずに、
外に出たら魔犬に襲われると教えられて育つんだもん。
それは、この家に移り住む原因となった妹の死。
その死にお母さんは囚われちゃったんだよね。

そして琥珀の左目は、その妹との絆を産み出す。

最後は、すごく悲しい、でも小川さんらしい終わり方。
結局、この兄弟たちは幸せだったんだろうか?
幸せになれたんだろうか?
posted by くりきんとん99 at 08:47| Comment(0) | TrackBack(1) | 小川洋子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月01日

『いつも彼らはどこかに』 小川洋子

いつも彼らはどこかに [単行本] / 小川 洋子 (著); 新潮社 (刊)
27日〜1日。

動物がどこかしらに出てくる連作短編集。
小川さんらしい静かな文章にちょっと不思議な世界観。
短編だけど小川さんが堪能できる。

いろいろな動物にいろいろな人たち。
ちょっと不思議なエピソード。

スーパーのデモンストレーションガールをやる女性が、
ディープインパクトの凱旋門賞の旅に同行する馬のことを思ったり、
作家の女性が無くなった翻訳者の元を訪れ、
翻訳者がビーバーがかじった小枝を拾っていたという話を聞いたり、
盲腸で入院する引きこもりの妹にブロンズでできたミニチュアの犬、
その名もベネディクトの面倒を言いつけられたお兄ちゃんの話だったり。

どれもちょっと変わった雰囲気で、
そしてちょっと物悲しさを感じさせる。

好きだったのはベネディクトの話かな。
妹のためにブロンズの犬の面倒を見るお兄ちゃんが
なんとも可愛かったし、入院しちゃった妹が、
一生懸命作っていたドールハウスも見てみたかった。

こういう短編集もいろんな小川さんが発見できて楽しいかも。
でもやっぱり長編かなぁ?
posted by くりきんとん99 at 19:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 小川洋子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月07日

『ことり』 小川洋子

ことり [単行本] / 小川 洋子 (著); 朝日新聞出版 (刊)
4日〜7日。

相変わらずの小川ワールド全開の作品。
ちょっと『猫を抱いて象と泳ぐ』を思い出す。

「小鳥の小父さん」と呼ばれた男性の
一生を描いた作品。

子どもの頃、お兄さんと一緒に
近くの孤児院にある鳥小屋に通った小父さん。
お兄さんは、ポーポー語という言語で話し、
それを理解できるのは、この小父さんだけだった。

両親を亡くし、お兄さんと2人で暮らす小父さんは、
近くのゲストハウスに勤務し、
お兄さんの面倒を見ながら暮らす。

お兄さんは、毎週水曜日、青空商店へ行き、
キャンディを買う。そしてそのキャンディを火曜日に食べる。
そのキャンディは、ポーポーと呼ばれ、
包み紙には小鳥が描かれていた。

お兄さんはその包み紙がたまると、
包み紙を使って小鳥を作った。

お兄さんが死に、一人になった小父さんは、
孤児院から幼稚園になっても残っていた鳥小屋の
世話をさせてもらうことにする。

ゲストハウスと鳥小屋とそしてたまに図書館に行く小父さん。
いつしか「小鳥の小父さん」と呼ばれるようになった小父さんは、
いつも鳥が出ている本を図書館で借りていた。
そこで知り合う司書。

そして、鈴虫を箱に入れて持ち歩く老人や
幼稚園の少女と触れ合う。

ちょっと不思議で、そしてほのぼのとし、
でも、なんだか物悲しい・・・そんな物語。
すごく切ない感じなんだけど、でも胸があたたまる。

後半、ある事件がきっかけで、
小父さんは、鳥小屋の世話が出来なくなる。
それがすごく可哀相で、
でも何もしない小父さんにジレンマを感じたり。

そしてメジロとの出会い。

全体的に淡々とした物語なんだけど、
でもなんだかちょっと息苦しくなる。
そこが小川ワールドなのかな?

posted by くりきんとん99 at 11:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 小川洋子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする