2013年01月17日

『私と踊って』 恩田陸

私と踊って [単行本] / 恩田 陸 (著); 新潮社 (刊)
12日〜17日。

間に飲み会があったり、
飲みすぎで本に手が伸びなかったりで、
なかなか読み進めなかった。
でも久々に読む恩田さんの短編集。

10ページほどのモノも多いので、読みやすい。
そして、いろいろな恩田さんが楽しめた。
相変わらずモヤッとした感じのモノや、
ちょっと不思議な世界観のモノ、
そして胸が熱くなるモノと様々。

気に入ったのは、表題作の「私と踊って」。
「私」と世界的に有名なダンサーの「彼女」。
二人の関係が描かれている。
帯にも書かれている「たとえ世界が終わっても
ずっと私を見ていてくれる?」という「彼女」の言葉が、
すごく素敵だった。
あとがきによるとピナ・バウシュという稀代の舞踏家をモチーフにしたらしい。
この舞踏家、知らないんだけどね。

「二人でお茶を」は、学生のピアニストに
ピアニストの霊(?)が入り込み、
ピアニストとして成功していくという物語。
これも33歳で夭逝したディヌ・リパッティを思って書いたんだとか。

そして一番感動したのは、カバーを外したら、
表紙に書かれている「交信」。
小惑星探査機はやぶさと地球との交信を
文章として表現しているんだけど、これは泣きそうになった。
800字ほどの文章でここまで表現する恩田さんに脱帽!
ただ、図書館の本でカバーが外せず、
本屋さんでの立ち読みだったのが残念。

全部で19編の短編集。
いろんな恩田さん、存分に堪能できた短編集だった。
posted by くりきんとん99 at 20:22| Comment(0) | TrackBack(1) | 恩田陸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月30日

『夢違』 恩田陸

夢違夢違
(2011/11/11)
恩田 陸

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23日〜29日。 久しぶりの恩田陸。 この作品は去年の春から今年の春まで、新聞の夕刊に連載されていたもの。 新聞でも読んでたんだかけど、どうしても途切れ途切れなのと、 たまに読み忘れたりしちゃうんだよね。 わりと記憶の新しいうちに単行本で読むことができた。 新聞の時もモヤモヤとした感じだったけど、 単行本でもモヤモヤ感は同じ。 新聞と違って繋がって読める分モヤモヤ感もひとしお? 夢を映像としてデジタル化した「夢札」。 その夢札を見て夢を解析する夢判断を職業とする浩章。 浩章は、あるとき死んだはずの結衣子を見かける。 結衣子は、予知夢を見ることができ、 その予知夢で見ていた事故によって死んだはずだった。 そんな時、各地の小学校で変な事件が多発する。 子ども達が原因不明の集団パニックに陥り、 その後、夢にうなされるという。 浩章たちは、その子供たちの夢札を見ることになる。 これは、何とも不思議な話だった。 夢が可視化って近い将来、ありそうな気がするから、 妙に現実味がある。 そして、その夢札を見るための機械が、 年々、改良され、夢がクリアに見れるようになってくるというのも面白い。 夢は、人によって鮮明だったり、不鮮明だったり。 それも、その人の記憶力とかに関わってくるらしい。 夢を解析する夢判断達は、存在するはずのない「幽霊」を見るようになる。 浩章が見ている結衣子は、「幽霊」なのか、それとも結衣子は生きていたのか? この不思議なちょっと怖いような世界、モヤッとした読後感。 でも続きが読みたくなるような面白さ。 さすがの恩田ワールド。 私も自分の夢札を引いて見てみたいような見たくないような、 何とも不思議な気持ちになる小説だった。
posted by くりきんとん99 at 08:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 恩田陸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする