2016年04月16日

『今はちょっと、ついてないだけ』 伊吹有喜

今はちょっと、ついてないだけ -
今はちょっと、ついてないだけ -
14〜15日。

大好きな伊吹さんの新作。
すっごく良かった。

かつて世界の秘境を旅するテレビ番組で
一躍脚光を浴びた「ネイチャリング・フォトグラファー」の立花浩樹。
バブル崩壊で全てを失ってから15年、
事務所の社長に負わされた借金を返すためだけに生きてきた。

必死に完済し、気付けば四十代。
夢も恋人もなく、母親の家からパチンコに通う日々。

ある日、母親の友人・静枝に写真を撮ってほしいと頼まれた立花は、
ずっと忘れていたカメラを構える喜びを思い出す。
もう一度やり直そうと上京して住み始めたシェアハウスには、
同じように人生に敗れた者たちが集まり…。

連作短編になっているこの作品。
物語は、立花の話だったり、
静枝の息子、宮川の話だったり。

どの登場人物も上手く物事が運べず、
立ち止まっている感じなんだけど、
ちょっとしたことがきっかけで、
また動き出すって感じ。

そこがまたなんとも良い感じなんだよなぁ。

最後にまた大きく一歩を踏み出すことになる浩樹。
これは、とっても続きが読みたいなぁ。
posted by くりきんとん99 at 13:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 伊吹有喜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月24日

『オムライス日和 BAR追分』 伊吹有喜

オムライス日和 BAR追分 (ハルキ文庫) -
オムライス日和 BAR追分 (ハルキ文庫) -
20〜24日。

BAR追分』の続編。

有名電機メーカーに勤める菊池沙里は、
大学時代にゼミで同期だった宇藤輝良と再会する。
卒業して五年、宇藤は
「ねこみち横丁振興会」の管理人をしながら、
脚本家になる夢を追い続けているという。

数日後、友人の結婚式の二次会後に、
宇藤がよくいるというねこみち横丁の
BAR追分に顔を出した沙里だったが…。

これは、表題作の「オムライス日和」。
連作短編なんだよね。

「BAR追分」の桃子が面倒を見ている猫、
デビイが余所でも餌をもらっていて太り、
困った桃子がデビイに手紙を付ける話とか、
宇藤クンが得意とする餃子を振舞う話とか。

相変わらず、ほんのりと暖かく、
でもちょっと切なかったりする伊吹さんの物語。
ゆっくりと時間が過ぎていく感じがとても好き。
それに食べ物がおいしそうなんだよね〜。

オムライスにかける選べるソース。
トマトソース、デミグラスソース、クリームシチュー。
私だったら、どれにしよう?
やっぱりクリームシチューかな?
posted by くりきんとん99 at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 伊吹有喜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月05日

『BAR追分』 伊吹有喜

BAR追分 (ハルキ文庫) -
BAR追分 (ハルキ文庫) -
29〜3日。

新宿三丁目交差点近く―かつて新宿追分と呼ばれた街の
「ねこみち横丁」の奥に、その店はある。
そこは、道が左右に分かれるまさに追分だ。

BAR追分。昼は「バール追分」としてコーヒーやカレーなどの定食を、
夜は「バー追分」として本格的なカクテルや、
ハンバーグサンドなど魅惑的なおつまみを供する。

人生の分岐点で、人々が立ち止まる場所。
昼は笑顔かかわいらしい女店主が、夜は白髪のバーテンダーがもてなす。

この物語は、その「BAR追分」に訪れる常連客だったり、
たまたま訪れたお客さんだったり、関係者だったり。
そこで、織りなす人間模様っていうのかな?
そういったものが描かれている。

でも一応メインになっているのは宇藤クン。
宇藤クンは、シナリオライター志望で、
ライターとして働いていたんだけど、
「ねこみち横丁」のHP記事を担当。
そのHPの依頼を受けていた会社が解散。

宇藤クンは、「ねこみち横丁」の振興会で
専業職員として働くことになる。
この「BAR追分」の上で。

宇藤クンは、シナリオの勉強をしながら、
このお店に来る人たちと交流したり、観察したり。

そして登場する美味しそうな食べ物や飲み物。
ホント、美味しそうなんだよね〜。

連作短編になってるけど、
一番のお気に入りは、ボンさんの話。
ステキな話だったなぁ。
ちょっと予想外だったけど。

伊吹さんの作品を読むと優しい気持ちになれるけど、
これを読むと食べたいものが増えて、
さらに空腹を刺激され、ちょっとツラくなるかも!?
posted by くりきんとん99 at 14:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 伊吹有喜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする