2013年05月25日

『ふくわらい』 西加奈子

ふくわらい [単行本] / 西 加奈子 (著); 朝日新聞出版 (刊)
21日〜24日。

西加奈子さん、3作目。
直木賞候補、そして本屋大賞5位となったこの作品。
面白かった〜〜っ。

マルキ・ド・サダをもじって名付けられた
書籍編集者の鳴木戸定。25歳。
福笑いが大好きな定は、母を早くに亡くし、
それからは紀行作家の父と世界中で旅をし、
その中で人肉を食べるという経験をする。

日常を機械的に送る定だったが、
プロレスラーの守口廃尊や街中で知り合った武智次郎、
同僚の小暮しずくらと触れ合っていくうちに
段々と人間らしくなっていく。

定の成長物語的な感じだと思うけど、
前半が正直すごく気持ち悪い。
そしてこの人間味のない定に感情移入することはできなかった。
でも、終盤あることがきっかけで一気に定は人間らしくなっていき、
読んでいる私もその変貌ぶりにホッとさせられた。
だって定はあまりにも人間らしくなかったんだもん。
そんな定も乳母の悦子の前では若い女の子らしい言葉づかいで、
ちょっとホッといたけど。

定自身も強烈なキャラだったけど、廃尊がすごかった。
この廃尊が定の前で見せた弱さには感動。

ラストは予想以上に衝撃的。
でもその衝撃的なことを淡々と書くが西さんなのかな?
posted by くりきんとん99 at 18:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 西加奈子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月10日

『きいろいゾウ』 西加奈子

きいろいゾウ [単行本] / 西 加奈子 (著); 小学館 (刊)
6日〜8日。

西加奈子さんの2作目。
前に読んだ『ふる』は、正直よくわかんなくて、
なんで西加奈子さんって人気あるんだろうって思ってたけど、
これを読んで認識を改めた。
西加奈子、いいわぁ。

田舎の村で住み始めた若い夫婦。
妻の名前は、妻利愛子(つまりあいこ)。
夫の名前は、武辜歩(むこあゆむ)。
ツマ、ムコさんと呼び合う仲の良い二人。

ムコさんは、売れない作家。
たまに老人ホームで事務の仕事をしている。

小説は、ツマの立場から書かれたものと、
ムコさんの日記とが交互に書かれている。
ツマのも多分、日記だよね〜。
そういうことだよね〜。

二人の周りの人たち。
お隣のアレチさんとセイカさんや、
駒井さんと大地君、そして洋子や平木直子。
みんなが優しい。
それもさりげなく優しい。

そんな優しい人たちに囲まれながら過ごしている二人。
ツマは動物や植物がしゃべっているのを聞いたりと
やっぱりちょっと不思議なところもあるんだけど、
それでもそれも自然だったりする。

でも、後半、だんだんと二人の様子がおかしくなってくる。
ムコさんが、書斎からほとんど出てこなくなって、
そして小説が売れてきたことを理由に東京に出かけてしまう。
ツマを置いて・・・。

ツマは、まわりの動植物たちの声が聞こえなくなり、
そして、ムコさんに言いたいことも言えず、
様子がおかしくなっていく。

どうなる、ツマ!そしてムコさんよ!!

これは良かった。
ほのぼのとしてるんだけど、
でもちょっとピリッとしたものもあったりで。
そしてところどころに入ってくる「きいろいゾウ」のお話。
これもすごくすごく素敵だった。

西加奈子、好きだわぁ〜。
posted by くりきんとん99 at 19:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 西加奈子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月18日

『ふる』 西加奈子

ふる [単行本] / 西加奈子 (著); 河出書房新社 (刊)
14日〜17日。

初西加奈子。
前から気になってた作家さん。
『ふくわらい』が本屋大賞ノミネートになってたから、
『ふくわらい』を含めて図書館で予約してたら、
この本が先に私のもとにやってきた。

ぱらぱらと中の様子を見たら、
わりと読みやすそうな文章だったから、
それほど時間が係らないかなぁ?と思ってたんだけど、
なかなかのることが出来なくて、ちょっと時間が係っちゃった。

池井戸花しすは、28歳。
職業は、AVへのモザイクがけ。
誰にも嫌われないよう、
常に人間の「癒し」であることに全力を注ぐ毎日。
趣味は、日常の会話をICレコーダーで録音すること。

この花しすの日常と過去のことが、
交互に書かれているこの作品には、
あちこちに「新田人生」という名の男性が出てくる。
その新田人生は、全部違う人で、
それぞれが花しすに影響を与えているといった感じ。

ぽわんとしたイメージの花しす。
なんかこの花しすに感情移入できなかったのか、
この世界観にのれなかったのか・・・?

普通の女の子(でも花しすは白いものが見える)の
普通の日常で思っていることを
描いているんだけど、ちょっと不思議だったり、
ちょっと怖かったり・・・。
最後は正直、よくわかんなかった。
読書メーターの他の方のレビューを見ると、
他の作品の方が面白いらしいから、何とも言えないけど、
私には、ちょっと合わないかなぁ?
他の作品も予約してるから読んでみるけどね。

posted by くりきんとん99 at 19:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 西加奈子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする